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令和3年 年頭所感(全文)

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令和3年1月1日よりあまチャンネル(海士町のケーブルテレビ)で放送していた、海士町長の令和3年 年頭所感をお知らせいたします。

 

 

みんなでしゃばる!チャレンジ総決算の年へ!

~海士町らしい「承前啓後」を貫く~

 

 

※承前啓後:昔からのものを受け継いで、未来を切り開くことの意

※しゃばる:強く引っ張る

 

 

 町民の皆様、出郷者の皆様、新年明けましておめでとうございます。 輝かしい令和三年の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。皆様には日頃から町政に対し、ご支援とご協力を賜りまして衷心より厚くお礼を申し上げます。

 

 

コロナに打ち勝つ。この苦しい状況をみんなで乗り切りましょう

 

 昨年発生した新型コロナウイルス感染症の拡大は、全世界の社会に深刻な影響を与えました。そのような中で、町民の皆様には、年度当初から大きな不安の中、沢山のご不便を感じさせながらも、町内において、これまで一人の感染者も確認することなく暮らせていることは、町民の皆様をはじめ、営業自粛等にご協力をいただいた各事業所様ほか、関係者の皆様方のご努力の賜物であり、改めて敬意を表し感謝とお礼を申し上げます。

 

 私と致しましては、町民の皆様の命と暮らしを守っていくために、国や県との連携をさらに密にし、万全を期して取り組む所存でございます。町民の皆様におかれましても日頃からの感染予防の徹底を改めてお願い致します。 また、仮に島内で感染者が出たとしても、自分や家族が感染してしまったことを考え、決して偏見や差別、誹謗中傷することなく、いたわる心で温かく見守って下さいますようお願い致します。

 

 

後鳥羽院遷幸八百年を海士町まちづくりの新たなスタートに

 

 さて、本年は海士町の歴史・文化の象徴である後鳥羽院が、隠岐にお遷りになられてから、ちょうど八百年という節目の年にあたります。記念すべき目出度い年を町民の皆様と一緒にお祝いをしたいと考えております。 本町はこれまでも、詩歌の大会や遠島御百首カルタの作成普及など、後鳥羽院を顕彰する様々な事業を進めてきました。

 

 また、昨年からは、後鳥羽院顕彰事業実行委員会を立ち上げ、GoTo文化展や島の文化会議などの開催を通じて議論を深めてきました。そして本年秋には、隠岐神社と後鳥羽院が上陸した崎村の三穂神社との間の「神輿渡御」をはじめ、後鳥羽院の伝承を島民自らが伝える「島民劇」の催しなどが決定しています。関係者からは、日に日に若者らの参加意欲が高まっていると伺っており、大変頼もしく期待を寄せるところであります。

 

 私は、町長に就任して以来、「みんなでしゃばる島づくり」を方針に掲げております。「みんなでしゃばる」とは、今に生きる町民や関係者が手を携えながら横の繋がりを大切にしていくことに加え、後鳥羽院をはじめとする島の自然や歴史・文化に学び、先人の暮らし、郷土を愛する心など、時間を越えた縦の繋がりを大事にして、島民はもとより島内外の海士ファンの皆様と共に「継承・団結」して町づくりを目指すことにあります。 そしてその先に、海士町のスローガン「ないものはない」の精神を重ね合わせていくことで、「海士の文化の未来」が見えて来ると信じています。

 

 承前啓後という言葉があります。町民の皆様には、八百年という後鳥羽院と海士との深い歴史を遡りながら、本町が今後も大切にしていかなければならない本質や主体性というものをさらに歴史から学び、深めていくスタートの年に繋がればと願っております。

 

 

島らしい働き方をデザインし、まちづくりに活かす

 

 昨年、私は、多様な働き方を促し地域振興に資する制度を二つ立ち上げました。 一つは、「海士町半官半X」の取り組みです。 これは、役場職員が庁舎内で行うデスクワークの働き方に加え、庁舎を飛び出し、現場に足を運び、町民とともに汗を流し、語り合う中で、現場の課題を一緒に解決する力を身につけたり、地域の担い手という自覚をより強めながら、多様な仕事に挑戦できるよう働き方改革を推進する制度であります。長期的な視点に立ち、島の発展につなげて参ります。

 

 もう一つは、全国第一号で設立した「海士町複業協同組合」です。 海士町のマルチワーカーをモデルとして創設された特定地域づくり事業の法律制定に呼応したもので、昨年末県庁において丸山知事から認可を受けました。 同組合は、複数の事業者が連携し、季節毎の仕事量に応じて組合職員を派遣するもので、年間を通じた雇用と人材育成に取り組みます。 こうした働き方は、海士町が古来から行ってきた半農半漁という暮らし方に類似するところが多分にあります。役場並びに組合職員自らが、海士の歴史や風土に学びながら、合わせ技で働き方をデザインし、チャレンジしていくことで、町内事業所はもちろん、地域の価値や魅力が高まり、UIターンの促進に大きく寄与するものと考えています。

 

 

ふるさと納税寄付金で、未来投資基金を新設

 

 2020年は、町外の海士町ファンの皆様からのふるさと納税の寄付額が2019年を約2.4倍上回る初の1億円の大台に乗せることができ、地場産品の返礼品も三千万円もの売り上げに繋がりました。寄付された皆様には、この場をお借りしまして心より感謝とお礼を申し上げます。 私は、昨年の条例改正でふるさと納税の寄付額の一部を原資とした未来投資基金の運用を始めるために「一般社団法人未来投資委員会」を設立したところです。

 

 町と同委員会は、町民の皆様が島の未来を創るための地域振興事業にチャレンジする際に、資金の援助や事業へのアドバイスなど、伴奏者として寄り添いながら事業を応援していきます。 そして、寄付された皆様に対して、定期的に事業の進捗状況を報告することにより、寄付された皆様が海士町の挑戦に応援団として関心を寄せていただくことで、本町の関係人口の拡大に結びつくものと期待をするものであります。

  

 新年度より本格的に運用を始めますので、町民の皆様には未来投資基金を活用していただきたく、振るってご応募を下さいますようお願い致します。

 

 

自立・挑戦・交流×継承・団結

 

  海士町は、島の未来を創る町民の熱量に投資をします。挑戦者が集い、人材が島に還流するしくみを海士町は創ります。その先に、必ず海士町の未来は拓けると、私たちはそう信じて全力で走り続けていきます。

 

 令和三年も課題は山積しています。 医療福祉分野の人材確保。定置網、いわがき春香、CAS、隠岐牛、干し海鼠といった主力産業のさらなる発展。大人の島留学や国際協力機構(JICA)並びに国際協力推進協会(APIC)の国内外の研修の受け入れなど、若者の人材還流を興す教育の魅力化推進。 そして、後鳥羽院遷幸800年記念事業や新ホテル「Entô」の開業。東京オリパラホストタウンとしてのミクロネシア連邦パニュエロ大統領の海士町公式訪問の受け入れ。

 

 また、昨年コロナで中止を余儀なくされた第35回隠岐島綱引大会や第25回キンニャモニャ祭り、第50回産業文化祭といった伝統イベントの復活に向けても気運を盛り上げて行かねばなりません。 本年も町民の皆様の大きな期待に応えるために、町職員と一丸となり、共に汗を流しながら挑戦を続けて参る所存です。

 

 「心ひとつに、みんなでしゃばる!」を合い言葉に、引き続きご理解とご支援をお願い申し上げますと共に、皆様のご健勝とご多幸をご祈念致しまして、年頭の挨拶と致します。

 

 

海士町長 大江和彦

 

 

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